税に関するコラム

退職金を受け取った場合の所得税

そもそも退職金とはどれくらい受け取ることができるのでしょうか。

モデル退職金は以下の通りです。

 

大企業 :自己都合の場合、最大1,700万円ほど

     会社都合(定年を含む)の場合、2,500万円ほど

中小企業:自己都合の場合、最大600万円ほど

会社都合(定年を含む)の場合、最大1,000万円ほど

 

一般的には、上記の金額を1~2か月後に支給されます。

「思ったより多く貰えるんだ」と思った方もいらっしゃるかと思います。

しかし、中には退職金が出ない会社もありますので、ご自身が勤めている会社は退職金が出るのか出ないのか等、就業規則を見たり実際に受け取った同僚に聞いたりして早めに確認しておくと良いです。

 

本題に移りますが、退職金の受け取り方としては以下の3つのパターンがあります。

  • 退職一時金
  • 退職年金
  • 退職一時金と退職年金の併用

 

退職一時金とは退職金を一括で受け取ることをいいます。この方法だと退職所得となり、税制上の優遇があるため、税負担が軽くなります。税負担は勤続年数が長ければ長いほど軽くなります。しかし、勤続年数が20年を超えると退職所得控除額が縮小される動きもみられていますので今後の動向に注意しておきましょう。

また、勤続年数が5年以下の場合は税負担が大きくなりますのでこちらも注意が必要です。

一時金で受け取るとまとまった金額が手元に入るため金銭感覚が変わり無駄遣いをしてしまいがちです。退職金は老後の大切な資金になりますので計画的に使うようにしていきましょう。

次に、退職年金とは退職金を年金払いで受け取ることをいいます。この方法だとまだ受け取っていない退職金を金融機関が運用するため、受取総額としては退職一時金に比べて多くなる可能性があります。

一方、退職年金だと税制上の優遇がなく雑所得として計上され、公的年金やパート代など他に収入があると、所得が増えることで税金や社会保険料が高くなります。厚生年金に加入しながら働く場合は社会保険料を会社が半額負担してくれるため自身の負担額を減らすことが可能です。そのため、退職後に厚生年金へ加入せずパートやアルバイト、自営で働くという方はなるべく退職一時金で受け取ることをおすすめします。