税に関するコラム
金を売買する場合の所得税について
一般的な資産の運用方法としては、不動産、株式、保険、債券等が挙げられます。これらはインフレが加速すると資産価値が下がってしまう可能性がありますが、金は金利が付かないことからインフレが進んでいったとしても逆に価値が上昇しやすいという特徴があります。そのため、将来のインフレに備えて資産の一部を金へ換えていっている方も少なくありません。
しかしながら、現在の金の小売価格は12,000円/g越えとなっており(2024.4.16時点)今が売り時だと考えている方も中にはいらっしゃるでしょう。
そんな金ですが、売却すると得た利益に対して税金がかかってしまうことをご存知ですか。
売却時に得た利益に対して税金はかかるため200万円で購入した金を500万円で売却したのであれば差額の300万円に対して税金がかかってきます。
購入時の金額が不明の場合は、売った金額の5%を購入時の金額として計算していきます。この計算方法だと税金の計算上、大変損をすることになりますので領収書等はしっかり保管しておきましょう。
金の売却ですが以下の2通りがあります。
・個人が譲渡する
・営利を目的として継続的に取引する
今回は個人の方が譲渡する場合について見ていきます。この場合は譲渡所得として扱われ計算方法は金の保有期間によって異なります。
- 保有期間が5年以内
売却時の利益-特別控除50万円
- 保有期間が5年越え
(売却時の利益-特別控除50万円)÷2
それぞれ上記の式で算出された金額が課税所得となり、算出された金額と給与所得に税率をかけると税金が分かります。税率や控除額につきましては給与額や家族構成、支払っている保険料等によって異なりますので下記のサイトを参考にしながらご自身で計算してみてください。
所得控除の種類
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm
給与所得控除
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm
所得税の税率
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm
金の売却で年間50万円を超える利益が出た場合、以下の条件に当てはまる人を除いて確定申告が必要になるので忘れずに行うようにしましょう。
・年収2,000万円以下の年末調整対象者
・給与所得以外の所得の合計が20万円以下
(金の売却の場合は控除50万円を差し引いた金額)
さらに、金を200万円以上で売却した場合は税務署に支払調書を提出する必要があります。提出し忘れてしまうとペナルティを課せられる可能性もありますので注意しましょう。