税に関するコラム

法人の青色申告によるメリット

個人事業主の方が青色申告を始めるためには青色申告承認申請書というものを税務署へ提出する必要があります。同様に法人で青色申告する場合にもこの申請書を提出しなければなりません。申請には手数料は不要です。

提出期限としては「青色申告によって確定申告を行おうとする事業年度開始の日の前日まで」となります。しかし、法人ができたばかりという場合は設立日から3か月経過した日と事業年度終了日のどちらか早い日の前日までに申請を行えば問題ありません。

 

では、本題に入ります。

法人が青色申告することで得られるメリットですが以下のものが挙げられます。

 

  • 青色申告書を提出した事業年度に生じた赤字を翌年度以降の黒字と相殺可能

例えば、前年度に赤字が100万円で今年度50万円の黒字を出したとします。すると、この黒字を前年度の赤字と相殺して今年度の所得を0円という扱いにできます。この場合はまだ赤字が50万円残っているため翌年度も黒字であった際、同じように黒字と相殺することが可能です。ちなみに赤字は10年繰り越すことができます。

 

  • 赤字の繰戻しによる法人税額の還付

資本金か出資金が1億円以下の中小企業であれば①でご紹介した赤字の繰越控除ではなく前年度に支払った法人税を一部返金してもらうという方法も選択することが可能です。

  • 税務署長による推測での税額の更生または決定の禁止

納税申告書に誤りがあったり納税義務がある者が提出をしていなかったりした場合、税務署長が売上や経費を推測し納税額を決定することがあります。これは法人税法に定められているルールの一つです。しかし青色申告の場合だと適正に管理しているとみなされ推計課税の対象外になります。仮に更生や訂正が行われる場合でも青色申告者に対しては通知書に理由を書かなければならないという決まりもあるため異議申し立てすることも可能です。

  • 少額減価償却資産の特例に適用

固定資産を取得した場合、通常はその資産が本来期待する役割を果たすとみなされる期間で取得価格を費用へ配分します。しかし、少額減価償却資産の特例では年間300万円までに限り30万円未満の資産を購入した場合、取得価格を一括で今年度の費用や損金とすることが可能です。そのため税負担の軽減につながります。(一部中小企業に限る)

青色申告には手間がかかりますがそれ以上にメリットが大きいですよね。今回を機に白色申告をしている法人さんはぜひ、青色申告に挑戦してみてください!